受講のきっかけを教えてください
私自身は元々医療機関を対象とした営業を行う仕事に従事し、その後医療機関を対象とするコンサルティング業務に従事してきました。こうした仕事に従事していた時は、外部から多くの医療機関を見ているため、その医療機関の良い点や悪い点、また行政の動向にも目を向けることができていました。しかし、医療機関の中で働いていると、日々起こる問題の解決や自身が所属している法人、医療機関、職員の対応に追われてしまい、視野が狭くなり少し離れて自身が所属している医療機関を見ることが難しくなっていると感じていました。
そうしたことから一度外部で勉強をしなおし、「他医療機関の事例も知り、自身の所属している医療機関を見つめ直してみよう。また見つめ直すことにより、課題を発見し、その改善をしたい。」と考え、受講をさせていただきました。
ためになった(思い出に残っている)授業・先生、その理由は?
医療政策学の満武先生の講義です。満武先生が勤務される医療経済研究機構は、厚生労働省の政策の元となる研究をされており、講義の中で、厚生労働省が何を考えて現在の政策を作っているのか、今後の政策の方向性をお話しいただき大変勉強になりました。
医療経済学の権丈先生からは、日本医師会の医療政策会議の報告書の内容についてご説明いただきましたが、経済学的な視点でものを見ておられ、実際の報道されている情報と違う捉え方や日本のGDPについての考え方、政治的な動きなど、目からうろこが落ちるような内容で、あのときにあっていたことはこういったことだったのかと感じることも多く、非常に興味深かったです。
医療機関にマーケティングという考え方はあまり合わないと考えられてきましたが、マーケティング論の川上先生と北見先生からは、マーケティングとは何かという基礎的なところから、その歴史的な変化や種類、価値、ブランディングなど企業的な考え方を学びました。それぞれ具体事例をもってご説明いただき、患者様に医療機関が何を提供しているのか、患者様は何を期待しているのか、医療機関の価値提供について考える機会となりました。
お仕事などで活かされそうなこと・活かしたことについて教えてください
医療経済学と医療政策学については、今後の法人の方針としての考えていることを経営戦略部として職員に説明する際の材料として活用させていただきました。それまで曖昧だった部分をより詳しく伝えることができたと思います。
その他すぐに実践できたこととしては財務会計論にあった指標を使い比較分析を行ったりもしました。
また、経営組織管理論においては、組織がどう学習していくか、またリーダシップの形などを学んだため、今後の組織がどう発展することが良いのか、理事長や院長はどういったリーダシップの形をとって、補佐するために自分自身がどうなっていくことが良いのかなどを考え、将来的なことを考えることができました。
受講を考えている方へメッセージをお願いします
今回が最初の病院経営アドミニストレーター育成プログラムの初年度でしたが、私自身は受講して良かったと感じています。
それぞれの回において日本全国の著名な先生方の話を聴くことができ、またその分野の研究をしておられる大学関係の教授や講師の方々の話が多く、最新で詳細な情報を聴くことができました。医療機関の中にいると大学関係者や研究者の話を聴く機会は少ないと思いますが、自分自身の世界を広げることができたように感じます。また他医療機関の事例もあるため、自分が勤めている医療機関と比較して考える良い機会になると思います。
グループディスカッションもあるため他医療機関の方や企業の方、学生の方とも話すこともあり、経営に関して悩んでいることやその方の体験などを聞くことができたことも貴重な体験だったと思います。
今後、学んだ内容をどこまで活かせるかは自分次第ですが、貴重な機会をいただいたことに、スタッフの皆さん、講師の皆さんに感謝したいと思います。